2階に熱気がこもって抜けない理由|屋根と窓から入る熱を整理
1階は過ごせるのに、階段を上がった瞬間に空気が変わる。窓を開けても、熱気が出ていく気配がない。
この記事では、2階に熱気がたまる理由と、窓を開けても抜けていかない仕組みを説明します。そのうえで、風を通す工夫と窓の断熱で受け持つ範囲がどう違うのかを並べます。
作成者 倉持 悦子(株式会社感動ハウス 代表取締役) プロフィール
作成日 2026年10月26日 最終更新日 2026年10月26日 本記事は2026年10月時点の情報です 読了時間 約8分
2階に熱気がこもるのは、なぜですか?
理由は2つあります。暖かい空気が上へ向かって集まることと、2階は屋根からの熱を受ける面が多いことです。この2つが重なるため、同じ家でも2階だけ暑いという状態になります。
理由1 暖かい空気は上へ向かう
暖められた空気は軽くなり、上へ移動します。1階で暖まった空気も、階段を通って2階へ上がっていきます。2階より上に逃げ道がなければ、そこにたまります。吹き抜けや階段のある住まいでは、この流れがはっきり出ることがあります。
理由2 屋根からの熱を受けている
屋根は一日のうちで長い時間、日射を受けています。屋根が受けた熱は、屋根裏の空間を経て2階の天井側へ伝わってきます。夕方になって外が涼しくなっても、屋根や屋根裏に残った熱は時間をかけて出てきます。日が落ちたのに2階が暑いというのは、これが理由のひとつです。
窓を開けても抜けないのは、なぜですか?
空気の入口と出口の条件がそろっていないからです。風は、入ってくる側と出ていく側の両方がないと流れません。窓を開けた数ではなく、どこを開けたかで変わります。
同じ階の同じ高さで2か所開けても、圧力の差が生まれにくいため空気は動きません。暖かい空気は上へ向かう性質があるので、低い位置から入れて高い位置から出す形にすると流れが生まれます。階段の下の窓を開け、2階の高い位置の窓を開ける。この組み合わせであれば、動き方が変わることがあります。なお、風が通る向きは建物の立地や周囲の建物にも左右されます。
そして、外の空気が室内より暑ければ窓を開けるほど暑い空気が入ってきます。日中に風を通すより、日が落ちて外の気温が下がってから開けるほうが効くことがあります。開ける窓の組み合わせと、開ける時間帯の2つをあわせて見てみてください。
熱はどこから入ってきますか?
主な経路は屋根、窓、外壁の3つです。このうち窓は、ガラスを通して日射がそのまま入ってくる点がほかの2つと違います。
| 入ってくる場所 | 入り方 | 対策の方向 |
|---|---|---|
| 屋根・屋根裏 | 日射で熱せられ、時間をかけて伝わる | 断熱材・換気 |
| 窓(日射) | ガラスを通して直接入る | 日射を遮る・ガラスを変える |
| 窓(伝わる熱) | 熱くなったガラスや枠から伝わる | 窓の断熱を上げる |
| 外壁 | 日射で熱せられ、ゆるやかに伝わる | 断熱材 |
| 開けた窓・すきま | 外の熱い空気が入る | 開ける時間帯を選ぶ |
窓からの熱は、2つに分けて考えると分かりやすくなります。1つは日射そのものが入ってくる分で、これはカーテンやすだれで遮れます。もう1つは熱くなったガラスや枠から伝わってくる分で、こちらはカーテンでは止まりません。西日の入る部屋については西日で夕方暑くなる理由の記事で説明しています。
屋根裏に熱がたまっている住まいでは、屋根裏の換気が効くことがあります。当社がお手伝いしているのは窓まわりですが、現地調査で屋根の側が主な原因だと分かった場合は、そのことをそのままお伝えしています。
遮熱カーテンやすだれでは足りませんか?
日射が直接入るのを抑える役には立ちます。ただし、ガラス自体が熱くなっていればその熱は室内側へ伝わってきます。遮るものと、面の温度を変えるものは別の役割です。
すだれやオーニングのように、窓の外側で日射を受け止めるものは効き方が大きくなります。ガラスに届く前に遮るためです。室内側のカーテンは、入ってきた日射を受け止める形になります。どちらも意味はありますが、置く場所で差が出ます。カーテンでできることの範囲は遮熱カーテンの限界についての記事にまとめています。
エアコンを強くすれば済みますか?
冷やすことはできますが、入ってくる熱の量は変わりません。入り続ける熱を冷やし続ける形になるため、運転が止まりにくくなります。
設定温度を下げても部屋が涼しくならないという場合、エアコンの能力より先に入ってくる熱の量を見たほうがよいことがあります。窓が熱くなっていれば、そこから入る分を冷やし続けることになります。電気代として表れるのもここです。冷房の効きと窓の関係は冷房が効かない理由と窓の記事で説明しています。
窓に手を入れると、どこが変わりますか?
ガラスから伝わってくる熱が減り、室内側の面が熱くなりにくくなります。エアコンが冷やす相手の量が変わるということです。
ただし、窓に手を入れても屋根からの熱は変わりません。2階の暑さには屋根の側の条件も関わっているため、窓だけで解決するとは言えない場合があります。現地調査では、窓からの熱なのか屋根からの熱なのかを先に切り分けています。屋根の側が主な原因であれば、窓の工事をおすすめしないこともあります。2階の暑さの事例は2階が暑い部屋のケーススタディをご覧ください。
切り分けの目安として、晴れた日の午後にガラスと天井の両方を触ってみてください。ガラスだけが熱いなら窓からの熱が大きく、天井も熱を持っているなら屋根の側も関わっています。天井が熱い場合は、屋根裏の断熱や換気の話になります。この切り分けは、ご自宅でも確かめられます。
我が家の2階は、どのくらいの状態ですか?
下のチェックは診断ではなく、相談の前にご自宅の状況を整理するためのものです。当てはまる数が多いほど、窓そのものに手を入れる検討が向いています。
2階の熱気セルフチェック(6項目)
当てはまるものにチェックを入れてください。個人情報の入力はありません。
当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。
当てはまった数でみる読み取り方
| 当てはまる数 | 読み取り方 |
|---|---|
| 0〜1個 | 熱気のこもりは限定的かもしれません。いまの住まい方を続けてみてください。 |
| 2〜3個 | 風の通り方を見直すところから試せます。開ける窓の組み合わせを変えてみてください。 |
| 4〜6個 | 窓から入る熱が効いている可能性があります。屋根側との切り分けを含めて検討する段階です。 |
2階の熱気について、よくいただくご質問は?
現地調査のときに実際に伺うことの多い質問をまとめました。住宅の状況はお住まいごとに違うため、最終的な判断は現地で確認したうえで行っています。
窓を2か所開けているのに抜けません。
入口と出口の高さが同じだと、空気が動きにくくなります。暖かい空気は上へ向かうため、低い位置から入れて高い位置から出すと流れが生まれます。同じ階の同じ高さで2か所開けても、差が生まれにくいということです。
サーキュレーターを置けば解決しますか?
空気を動かす役には立ちます。ただし、入ってくる熱の量が変わるわけではありません。熱が入り続けている状態で風を回しても、暖かい空気を混ぜているだけになることがあります。
遮熱カーテンだけでは足りませんか?
日射が直接入るのを抑える役には立ちます。ただし、ガラス自体が熱くなっているとその熱は室内側へ伝わってきます。カーテンは日射を止めるもので、ガラスの温度を変えるものではありません。
2階だけ工事することはできますか?
できます。1か所からお受けしています。家全体を一度に工事する必要はありません。いちばん暑いと感じる部屋から順に、予算に合わせて区切って進める方法もあります。
相談したら、その場で契約を勧められませんか?
現地調査とお見積書の作成は無料で、出張費も基本的にいただいていません。お見積り後に突然ご自宅へ伺ったり、しつこくお電話をかけたりする営業活動は行っていません。
相談の前に、何を伝えればいいですか?
暑いと感じる部屋がどの方角を向いているかを教えてください。そして、晴れた日の午後にガラスを触ってみて、熱くなっているかどうかも分かると助かります。日が落ちてからも暑いかどうかも、あわせてお聞かせください。
感動ハウスは茨城県筑西市に本社を置き、つくば・土浦・宇都宮インターパークの3か所に展示場を構えています。対応エリアは茨城県と栃木県です。内窓の設置は1窓あたり約60分です。
まずは7つの質問で、ご自宅の暑さの傾向を確かめてみてください。
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